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金平糖の降るところ

 窓を開けると ひんやりとした空気の中に 

 金木犀の花の香りが 舞いこんできます。

 秋の冷えはすがすがしく ものの音すら冴えてきます。

 気持ちがぴりっと ひきしまります。

 それでいてなんとなく情が深くなったりします。

 ひざにきた猫を いつにもましてぎゅっと抱きしめてしまったりして   




 こんな秋の日には たくさんの層になって畳まれている想い出を

 とりだしてならべてみたりもします。

 はるか記憶の底のほうに埋もれていた小さな事がらが

 ふいに浮かび上がりA級の想い出になったり。

 もう今となっては 本当にあったことなのか

 自分が作り変えてしまったのかわからないものもありますが

 秋の日の わたしの一人遊びです




こんなささやかなできごとがA級の想い出に変わっていく、そんな気持ちにさせてくれる作家といえば わたしには 江國 香織さん。
主人公のささやかな日常が美しくうまい!表現で描かれていて読み終わった時に、自分の人生も愛おしく感じさせてくれるから。
最新刊『金平糖の降るところ』買ってきましたよ。
 
      
 

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by u-hu-yoko | 2011-10-06 23:36 | 一般書